マレーシア留学前後に必要な「海外転出届」と「在留届」の手続きガイド
2025/03/07
海外転出届・在留届の重要性
マレーシア留学という長期海外滞在は初めて、というご家庭も多いのではないでしょうか。渡航前は学校入学手続きや渡航準備に、そして渡航後は新生活への順応に精一杯で疎かにしがちなのが「海外転出届」と「在留届」の手続き。
手続きをしっかり済ませておかなければ、思わぬトラブルが発生することもあるので要注意。
本記事では、マレーシア留学に必要な 「海外転出届」と「在留届」 について、分かりやすく解説します。特に、年金や健康保険の扱いがどう変わるのか、提出することでどんなメリット・デメリットがあるのかも詳しくお伝えします。
1. 海外転出届
海外転出届は、日本から海外へ1年以上滞在する場合に必要な手続きです。この届出を出すことで、日本国内での住民票が除籍されることになります。つまり住民票に紐づく住民税や国民健康保険、国民年金を支払い義務がなくなることを意味しています。
提出のタイミング
-
出国前に市区町村役場で手続き
-
余裕を持って渡航予定日の 2週間前~出国日まで に提出するとスムーズ
提出方法
① 役所で直接提出
-
本人または家族が最寄りの市区町村役場で手続きを行う
-
必要書類を記入し、身分証明書を提示
<持ち物>
マイナンバーカード、印鑑、健康保険証、年金手帳
※家族が手続きを行う場合は委任状(本人が記入・署名したもの)、代理人の本人確認書類(マイナンバーカードやパスポートなど)が上記持ち物に加えて必要になります
② 郵送で提出(自治体による)
-
役所のHPで申請用紙をダウンロードし、必要事項を記入の上、郵送。
海外転出届のメリットとデメリット
<メリット>
-
住民税が免除される
-
国民健康保険の支払い義務がなくなる
-
年金の支払いが任意になる(希望者は継続可能)
-
マイナンバーカードの更新義務がなくなる
< デメリット>
-
日本の健康保険が使えなくなる → 帰国時に医療費が全額自己負担
-
住民票がなくなるため、住民税の非課税証明書が取得できない
-
銀行や証券口座の利用が制限されることがある
-
国民年金の受給資格に影響が出る可能性あり→任意加入で回避可能
-
扶養控除が適用できなくなることがある
2.在留届
在留届は、日本国外に3か月以上滞在する場合に提出が義務付けられています。万が一の事態に備えて、現地の日本大使館や総領事館が迅速に対応できるようにするための重要な手続き です。
現地到着後、住所が決まり次第、速やかに提出しましょう。
提出方法
-
オンラインで提出:「オンライン在留届(ORRネット)」を利用
→ EZAIRYU.MOFA.GO.JP -
書面で提出:在留届用紙を記入し、日本大使館または総領事館に郵送または持参
必要な情報
-
氏名
-
生年月日
-
パスポート番号
-
現地住所
-
連絡先電話番号
-
緊急連絡先
在留届を出していなかったら…
1. 事故や災害、テロ・暴動などの緊急事態発生時
ケース:
マレーシアで大規模な自然災害や暴動が発生し、日本大使館が現地に住む日本人の安否確認を行う場合、在留届を提出していないと安否確認の対象にならず、避難情報や救援の支援を受けられない 可能性があります。
影響:
-
日本政府からの緊急支援や避難情報の通知を受けられない
-
家族が大使館を通じて安否確認を依頼しても、登録がないため対応が遅れる
2. 病気や事故で入院した際の支援が受けられない
ケース:
マレーシアで病気や交通事故に遭い、意識不明の状態で病院に搬送された場合、在留届がないと大使館が本人や家族に連絡を取ることができない 可能性があります。
影響:
-
家族への連絡が遅れ、緊急時の対応が困難になる
-
大使館が本人の医療機関での対応を支援しにくくなる
特に、学生の方は現地での経験が少なく、トラブルに巻き込まれるリスクが高いため、必ず提出することを強く推奨 します。
海外転出届、在留届の提出を怠ると思わぬ損をしてしまったり、身の安全を守るための適切な情報を受け取れなかったりする可能性があります。
ぜひ忘れずに手続きをするようにしましょう。